今回は山岳修行、大阪と奈良にまたがる金剛山を登り、山頂の転法輪寺を目指します!
スタート地点は大阪府千早赤阪村にある金剛山ロープウェイ千早駅です。
金剛山ロープウェイ千早駅
金剛山ロープウェイは1966年に開業。千早駅(標高708メートル)から金剛山駅(標高975メートル)まで約6分で行くことができます。
しかし、残念ながら現在は運転休止。老朽化により十分な耐震性がないというのが理由です。
元々村営で赤字が続いていた金剛山ロープウェイ。民間への譲渡を検討していたのですが結局譲渡先が見つからず、2022年に廃止が決定しました。
これから撤去されるそうです。なんだか寂しいですねぇ。
緩やかに下ったり上ったり山道を歩くこと約4キロ。次はある川沿いの施設に立ち寄ります。
千早川マス釣り場
透き通った水が流れる千早川。ここでは養殖のマスが放流されていて初心者でも手軽にマス釣りを楽しむことができます。
早速私とくっすんも挑戦!
針にエサを付けて川に釣り糸をたらし数十秒待つと…
本当に簡単に釣れました!これは楽しい~!
しかも、釣ったマスを食堂に持っていくと調理してくれるサービスもあるんです。塩焼きとから揚げにしてもらいました。
道具は全てレンタルがあるので手ぶらでも大丈夫。釣りを楽しんでマスを美味しくいただけて大満足です!
マス釣り場を後にして坂道を上ります。いよいよ金剛山の入り口までやってきました。そこには一軒のお店が。
山の豆腐
山の豆腐は国産大豆と金剛山の湧水を使った豆腐が売りで、創業はなんと1777年という老舗です。
そんな老舗の山の豆腐、かつては凍り豆腐を製造、販売していました。凍り豆腐とは冬の寒い時期に豆腐を外の冷たい空気にさらして凍らせその後乾燥させて作る保存食。いわゆる高野豆腐のことです。
江戸時代にはこの地域に数十軒の豆腐屋さんがありたくさんの凍り豆腐が生産されていたそうです。
ただ、近代化が進み工場で生産されるようになったため1970年に凍り豆腐の生産は終了しました。
そんな山の豆腐の豆腐を食べられるお店がすぐそばにあるということでなので、ちょっと早めの昼食をいただくことにしました。(現在は休業中です)
湯豆腐をいただいたのですが、とにかく大豆の味が濃くて味わい深く、しかもしっかりした歯ごたえを感じます。そしてなんといっても体が温まりますー!
金剛山の豆腐で腹ごしらえしていよいよここから山岳修行です。
金剛山は修験道の祖、役行者が修行したと伝わる霊山です。
スタート地点は標高470メートルの地蔵堂で、標高1125メートルの転法輪寺を目指します。今回は転法輪寺のご住職に引率していただきます。
地蔵堂
金剛山では山頂までの道中に13体の石仏が安置されていて、そこで真言を唱え山頂まで登ります。
地蔵堂から歩いて坂道に建つ民家の横を抜け約300メートル歩くと次の石仏が見えてきました。
十三の仏を参る十三仏信仰は、先祖が安らかに眠れるように、そして自分自身や家族が死んだ時に極楽浄土へ行けるように願います。江戸時代には多くの修験者や参拝者が金剛山を登りました。
さらに300メートル進むと本格的な山道に入ります。勾配がさらにきつくなってきました。
すると目の前に長ーい階段が。
ここから山頂まで階段が約3000段あります。
3000段!?
3000段…。もし僕が大金持ちになったらここを全部エスカレーターにします。
…それは、やめてください…笑
階段を上り続けるのはとてもしんどいのですが、昔はもちろん階段はなかったので修験者や参拝者たちは厳しい山道を登っていたわけですよね。それを考えると階段がありがたく思えてきました。
修験道ではなぜ山岳修行を行うのか。そこには自然と一体になることで新しい自分に出会い心身を清めることができる、帰峰再生という考え方があるからだとご住職が教えてくれました。
階段を上っていると登山を楽しむグループに出会いました。
そのグループの中に今まで金剛山に50回登ったという方がいらっしゃってびっくり!金剛山は山岳修行だけでなく、登山を楽しむ方にも愛されている山なんですねぇ。
金剛山では登山回数を記録するシステムがあり、山頂で回数カードにスタンプを押してもらうことがでします。これもひとつのモチベーションになりそうです。
安置された石仏に手を合わせ、登り続けてやっと五合目に到着~。くっすんは倒れこんでしまいましたが、10分ほど休憩してまた登り始めます。
ここからはかけ念仏「慚愧、懺悔、六根清浄」を唱えながら進みます。自分の罪をすべてさらけ出し、六根(目、鼻、口、耳、身、意)を清めるというものです。
過去にも山岳修行でかけ念仏を大きな声で唱えながら山を登りました。
険しい道が続きますが、転法輪寺まであとちょっと。するとくっすんが…
六根清浄を唱え続けると、六本の大根が頭に浮かびますよね?なんだか元気が出てきます。
くっすんがワケのわからないことを言い出しました。疲れがピークに近づいている証拠です。
標高900メートル付近までくると薄っすら雪が積もっていました。
そして上を見上げると樹氷が!
樹氷は気温0度以下になると空気中の水分が冷えた枝にくっついて起こる現象です。
雪を踏みしめながら登ります。地蔵堂から歩き始めて約2時間、ようやく標高1125メートル金剛山の山頂に到着ですー!目の前には絶景が広がり大阪を一望できます。
そしてすぐそばには転法輪寺の境内があります。
転法輪寺
転法輪寺は665年に役行者が創建したお寺です。境内には十二番目の石仏の代わりに塔が建てられていて、ここで大日如来の真言を唱えます。
そしていよいよ十三番目、虚空蔵菩薩は本堂の裏を進んだ所に安置されています。
最後は本堂でお参りをして金剛山の山岳修行が終了です。
道中はやはりとてもしんどい思いをしたのですが、六根清浄を大きな声で唱えることにより、苦しいとかしんどいとかいった負の気持ちがかき消され、無心で登りきることができたのだと思います。
金剛山は1000年以上前から大勢の修験者たちが修行をした霊場ですが、現在は一般の登山家たちも楽しみながら登っています。悠久の歴史を感じながら気軽に登山を楽しめる山なので、登山に興味がある方はお勧めです!
コメント
懐かしいです‼️
今日初めてこちらに辿り着きました。
ブログにまとめてくださってありがとうございます。膨大な作業で大変でしょうが喜ばれているファンの方は沢山いらっしゃるでしょうね。くっすんとのたわいもないやり取りも楽しみでした。河田さんが頼もしい兄貴分として大活躍されてカッコよかったです。
毎回ゆっくり噛み締めながら拝見します。
柴垣さん
ありがとうございます!これからもロケを振り返りながら少しずつブログ書いていきますのでよろしくお願いします。