ここまでいろんな修行をしてきましたが今回はついに滝行です!
滝の大きさや水量によって修行の難易度は様々だと思いますがつらそうですよねぇ。
しかもこの日は最高気温20度、最低気温12度、そうなんです、肌寒いんです~
JR日光駅
出発地点は栃木県日光市のJR日光駅です。大正時代の建築なんだそうですよ。
ここから約10キロ歩き山を登り標高800メートル地点のマックラ滝を目指します。
日光駅から1.5キロ歩き山の麓までやってきました。
ここで明治時代から伝統的な天然氷をつくっている四代目徳次郎の山本さんにお話を聞かせてもらいました。
四代目徳次郎
日光の天然氷は堅くて溶けにくいのが特徴なんです。
こちらでは冬場に山の湧き水を流し込んで1日1センチずつ氷を厚くし15センチの天然氷をつくります。
時間をかけてゆっくりと凍らせることで不純物が少なく、堅くて溶けにくい氷ができるそうです。
できあがった氷は切り出され氷室とよばれる昔ながらの貯蔵庫に入れて、日光杉のおがくずをかけて保存します。
切り出した天然氷が保管されている氷室に特別に入らせてもらいました。
足下は全ておがくずですが、その下に氷が入っています。
おがくずが氷の表面の水分を吸収して蒸発させるため氷が溶けにくいのだそうです。
おがくずが氷を守り、氷がおがくずを腐らせない、お互い持ちつ持たれつということなんですよ。
なるほど~、僕と河田さんのようですね!
………。
徳次郎さんの天然氷をかき氷で提供しているお店があります。一度食べてみたいですね~!
山本さんに別れを告げてやってきたのは世界遺産の日光東照宮です。
日光東照宮
日光東照宮は1617年に徳川家康を祀るため二代将軍秀忠によって創建され、1636年に三代将軍家光によって立て直されました。
この広い境内で発見したのが有名な見ざる言わざる聞かざるの「三猿」です。
「三猿」は神馬の厩の外壁に施された彫刻なのですが、実は全部で八面あり人間の人生を諭していると言われているのです。
とても有名な「見ざる言わざる聞かざる」は八つある彫刻のうちの二つ目なんです。
まず一つ目は「親」という漢字のように木の上に立ち、子どもの未来を見ている姿を表しています。
二つ目は三猿で、子どものうちは悪いことを「見ざる言わざる聞かざる」が良いということです。
こうして物語は続きます。
八つをつなげて見ると人生の物語になっているということなんですね~
さらに進むと大変きらびやかな大きな門が見えてきました。
国宝の陽明門です。
陽明門には彫刻が508も施され、一辺10センチの金箔が約24万枚使用されています。
ちなみに京都の金閣寺は金箔が20万枚ですから金閣寺より多くの金箔が使われていることになります。
門というより巨大な美術品を鑑賞しているようです。
創建当時は数々の豪華絢爛な社殿などを造りその力を見せつけることで、「徳川家が治めるのなら安心だ」と一般庶民に思わせたかったのではないかと言われています。
日光東照宮を出て山道を歩いているとおそば屋さんを発見。ここで昼食をいただくことにしました。
こちらの名物はこのあげまき湯波が入ったゆばそばです。
内陸に位置する日光では奈良時代から貴重なタンパク源として湯波が食べられていました。
湯波が何層にも重ねられた形が特徴的です。
ちなみに京都でも名産ですが、漢字の表記が違うんですよ。
京都では「湯葉」、日光では「湯波」なんです。
ゆばそばをいただいて大満足で外に出ると…
大雨!!
この大雨で滝は水量が増えるだろうしめちゃくちゃ寒いし…ホンマに滝行できるの?っていうかホンマにやるの?
愚痴を言いながら山道を上ります。
そしていよいよ今回の修行場が見えてきました。
マックラ滝
栃木県宇都宮市にある東海寺ではこちらのマックラ滝でご住職の指導の下滝行を受けることができます。
なんだか水量多く見えるんですけど、ご住職これ大丈夫ですか?
そうですね、今日は通常の倍ぐらいの水量です。ちなみに落差は30メートルほどあります。
無理~~~~!!!
奈良時代以降、日光は山伏の修行場となり山に入る前に身を清めるため滝に入りました。
現在は体の穢れを落とし心の煩悩をはらうために滝行が行われています。
気温は13度、足下の岩は濡れて冷たく滑りやすいので慎重に進みます。
近づくにつれて滝の上から吹き下ろしてくる冷たい風と水しぶきが体を打ちつけてきます。正直いうとこれだけでもけっこうつらい!!
滝に入る前からすでに修行が始まっているようです。
いよいよ目の前に滝が。落差30メートルは想像以上に迫力があります。
さあ、
意を決して滝に入ります!!!
これはきつい~!!想像していた以上に厳しいです!
30メートル上から落ちてくる水が頭や肩を猛烈に打ちつけます。両足でしっかり踏ん張って立たないとバランスを崩して倒れそうです。
そして水がとにかく冷たく、「南無遍照金剛」を大声で唱え続けないと全身が凍りつきそうです!
雑念を取り払い精神統一するようご住職に指導していただきましたが、雑念が浮かぶほどの余裕は全くありません。
滝の下で立つ、それだけで精一杯です。
ご住職の合図で滝から出て滝行終了。
滝から出てもしばらくは体の震えが止まりませんでした。
本当に想像以上に厳しい修行でした。
滝という厳しい環境に自ら身を置き煩悩をはらおうした先人たち。
そしてそれを今も継承する現代の人たちがいるからこそ、この貴重な体験ができるんだなぁと改めて感じました。
とても貴重な体験だけど、もうしばらくは滝行をすることはないだろうなぁと思っていたら、
なんと!
この後神奈川、広島でも滝行をさせてもらうことになりました~
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