今回の修行は穴禅定なのですが、穴禅定ってきいたことありますか?
穴禅定とはとても狭い鍾乳洞をローソクの明かりだけを頼りに通り抜けていき、自らの力だけでやり遂げるという修行です。
くっすんは「せまい」と「暗い」が大の苦手らしく早速ぼやいております。
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正木ダム
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スタート地点は徳島県上勝町の正木ダム、通称美愁湖です。
その名の通り美愁湖の美しい景色を楽しみながら歩き始めました。
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ここ上勝町には特産品がいくつかあるのですがその一つが晩茶です。番茶、じゃなくて晩茶と書きます。一体どんなお茶なのでしょうか?
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昔からお茶の栽培が盛んな上勝町。晩茶は新芽ではなく大きく成長した茶葉を樽で発酵させて作ります。
しかも半月から1か月もの間乳酸菌発酵をさせるので、他のお茶とは全く違う風味と深い味わいに仕上がるそうです。
ちなみに中国雲南省を訪れた時にプーアル茶を取材しました。プーアル茶も微生物を使って発酵させるお茶で後発酵茶に分類されます。
町役場で晩茶をいただき一服してから再び歩き始めます。
すると徐々に坂道の傾斜がきつくなってきました。このまま山道を上り標高約550メートルまで進みます。
少し息を切らしながら山道を登っていると緑の柑橘類の果実がなっているのを発見。これは何の実でしょう?
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徳島といえばすだちが特産ですが、これは柚香という果実だそうです。
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![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-15h27m00s827-150x150.jpg)
ひとつかじってみてもいいですか?
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おぉ、ええよぉ!
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![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-15h28m59s061-150x150.jpg)
ヤバッ!!まじヤバイ!!すっぱ!
![河田](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-15h31m06s334-1-150x150.jpg)
食べさせてもらっといヤバイは失礼でしょ
柚香の収穫時期は10月中旬から下旬で実は黄色なります。だから緑の状態の今はまだかなり酸っぱいんだそうです。
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柚香はゆずとだいだいが自然交配したもので、味はとてもまろやかで糖度が高いのが特徴です。
ここ徳島県の山間部の一部でしか生産されていないのでほとんど流通しません。なので幻の果実とも呼ばれているそうです。
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さらに山を登っていきます。この辺りは斜面がきつくて大変です。
今度はあるものを栽培する農家さんのお宅にお邪魔します。
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![河田](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-16h25m38s754-150x150.png)
何を栽培されているのですか?
![山内さん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-15h33m45s724-150x150.png)
葉っぱを栽培してるんですよ~
こちらの山内さんが生産されている葉っぱは料理などに添えられるつまものです。
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つまものになる葉っぱは数百種類もあり、一年を通して栽培と収穫を行うことができるそうです。
![山内さん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-15h33m45s724-150x150.png)
きれいな葉っぱを収穫するのは楽しいんよ。それにタブレットを使って出荷もできるようになったのよ~
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実は上勝町には山内さんのような葉っぱ農家さんは大勢いるんです。
上勝町は人口減少と高齢化がかねてからの問題でした。
そこで高齢者の皆さんが楽しみながら仕事をして収入を得られる仕組みを上勝町といろどりという会社がつくり葉っぱビジネスがスタート。
生産者にパソコンやタブレットを使ってもらって効率化を図ったり、町のネットワークを駆使するなどして生産者がどんどん増えていきました。
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現在の葉っぱビジネスの年商はなんと約2億円!!中には年収1000万円というおばあちゃんもいるのだとか!すごいですね~
このビジネスモデルは全国的にも注目され、全国から視察もくるようになったそうですよ。
山内さんと別れて再び歩きます。スタート地点から約4キロ、大きな滝が見えてきました。
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灌頂ヶ滝
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落差80メートルの灌頂ヶ滝。
徳島県には弘法大師ゆかりの地がたくさんありますがここ灌頂ヶ滝もそのひとつです。
灌頂というのは密教の儀式で、頭頂部に清めの水を受けて仏と縁を結び戒律を授かることを意味します。
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その儀式から名前が付けられ灌頂ヶ滝と呼ばれていて、今も行者さんたちがこの滝で修行をされています。
歩くこと約6時間、標高約600メートルの目的地にようやく到着です。
慈眼寺
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慈眼寺の創建は定かではないそうですが、御本尊の十一面観音像は弘法大師が彫ったと伝わっています。
これから穴禅定を行うのですが、案内人の先達が同行しなければなりません。今回は金児さんにお願いします。
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暗くて狭い鍾乳洞を進んで行く穴禅定、強い精神力と体力が必要で様々な恐怖に打ち勝ち心を鍛えることを目的とします。
またとても狭い場所を進むので、境内の路幅体験場を通り抜けられないと修行をすることができません。
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私河田とくっすん、それにスタッフ全員が行者服に着替え修行場に向かいます。
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片道50メートルで一番奥の弘法大師像を拝んで戻ってくるという修行です。
入り口はこの岩と岩の隙間です。思っていたよりかなりせまくて驚きました。
中は当然真っ暗なのでろうそくを灯してその明かりを頼りに進みます。
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中はとてもせまいので順番を入れ替わることができません。
なので、先達の金児さん→細川カメラマン→くっすん→倉本カメラマン→河田→スタッフの順に進みます。ちゃんと撮影できるか不安です。
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全身を使いながら慎重に進みます。
当然岩の表面はごつごつしてて冷たくて少し湿っています。大きな岩に挟まれて押しつぶされないかという恐怖心が徐々にわいてきました。
するとくっすんが、
![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-16h01m14s673-2-150x150.png)
熱い!熱い!ロウソクのロウが手にかかった!
![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-16h01m14s673-2-150x150.png)
わー!髪の毛こげた~!
![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2022/06/vlcsnap-2022-06-05-16h00m26s644-150x150.jpg)
きゃーー!火が消えた!暗い!見えへん!こわい!
いきなりかなり取り乱しています。
ロウソクに火をつけて仕切り直しです。
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前の方から聞こえる金児さんの指示を頼りに少しずつ前進します。
地面に這いつくばって体を折り曲げるようにくぐり抜けなければならない場所も。最もせまい場所で幅26センチです。
そしてようやく鍾乳洞の一番奥にたどり着きました。
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ここには弘法大師の像が祀られていて般若心経を唱えます。
復路には胎内くぐりと呼ばれる難所も。人が一人なんとかくぐり抜けることができる隙間しかありません。
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スタートから約1時間半、鍾乳洞からやっとの思いで出てくることができました~!いや~太陽の光がまぶしい!これで穴禅定終了です。
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鍾乳洞から出てきた時は大きな達成感というか開放感を味わうことができました!
穴禅定では非日常の空間に身を置き、誰も助けてくれない誰も助けられない状況で自分自身でやりきることが求められます。
昔の人たちはこの修行で自分自身の強さを磨こうとしたのでしょうね。
ただ、閉所が苦手な方にはお勧めしませんのでご注意下さい。
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