今回は山の中腹にある滝で滝行を体験します。
滝行ってただ滝の下に立って落ちてくる水に打たれるだけ、って思ってませんか!?
以前この企画で滝行を体験しましたがめちゃくちゃキツくて本当につらい修行なんです!
ちなみにこの夕日の滝の修行の後にもう一度滝行をすることになりました。
もちろん滝の落差と水量にもよりますが、とにかく水が冷たいし頭部や背中を打ちつける水圧に耐えなければいけません。今回も大変厳しい修行になりそうです。
金時山
向かうのは神奈川県南足柄市の金時山(標高1212メートル)です。今回はこの金時山の中腹、標高約500メートルの夕日の滝で滝行を行います。
ちなみにこの金時山周辺の神奈川から静岡の山々を総称して足柄山と呼びます。
足柄山といえば昔話の金太郎に出てくる場所ですよね。
平安時代、足柄山に住んでいた金太郎は人並み外れた怪力の持ち主で山の動物たちを相手に相撲をとっても負けることはありませんでした。
そんな金太郎はある時武将の源頼光の目に止まり家来として取り立てられることになります。その時に名を坂田金時と改め頼光らと共に鬼退治に出かけるのです。
金太郎は京都の大江山に住む酒呑童子成敗で大いに活躍しその名を天下に轟かせました。
昔話の金太郎のイメージとは違いめちゃくちゃ勇猛な姿ですね!
坂道を上り続けるとお堂が見えてきました。
こちらには金太郎にまつわる伝説が残っているそうです。
地蔵堂
この地蔵堂の創建に関しては詳しいことがわかっていませんが室町時代にはすでにあったとされています。
普段非公開の地蔵堂の中を特別に見せていただきますと、金太郎の母親の意外な姿が。
金太郎の母親八重桐は金太郎を生んだ後なんと山姥になってしまい山道を歩いてやってくる人を捕まえて食べていた、そんな逸話が残っているそうです。
金太郎の母親にそんな物語があるとは驚きました。
地蔵堂を出るとくっすんがうどん屋さんを発見!ちょうどお昼時なので昼食をいただくことにしました。
うどんはとにかくコシが強くてカレー出汁はほどよい辛さと旨味をを感じます。このバランスが絶妙!
美味しいうどんをいただき大満足です。
さて、うどん屋さんを出てさらに山道を登ります。
金太郎の遊び石
歩いていると大きな石を見つけました。これは金太郎の遊び石と呼ばれていて、金太郎はこの石に上ったりして遊んだと言われています。
ここから本格的に山道を登ります。滝まで約1キロです。
山道を登って数十分、遠くから滝の音が聞こえてきました。いよいよ修行場に到着です。それにしても想像以上にすごい音でびっくりしました。
夕日の滝
ここ夕日の滝では1000年以上前から修験者が身を清めるために滝行を行っていたそうです。
今回は足柄修験の会の市川さんにご指導いただきます。
水量がめちゃくちゃ多くないですか!?
昨日雨が降ったので、今日は通常の3倍から5倍の水量です。
えーー!今日はやめといたほうがいいですよね!?危険ですよね!?
大丈夫ですよ、滝行できますよ
うそでしょ!?本気ですか!?無理だって~~~
市川さんによると水量は多いけど滝行はおこなえるということでした。
滝の大きさ、水の量と勢い、水が岩を打ちつける音としぶき、どれも凄まじく、正直いうとかなり怖かったです。
しかしここまできたらやるしかありません!
滝に入る前の準備を始めます。
滝には不動明王が祀られているのでまずそばのお堂で般若心経を唱え塩と酒を全身にすり込み魔を祓い体を清めます。
そして次は鳥船という行事です。船を漕ぐような動きを「エイ!ホ!」のかけ声と共にくり返します。
禊などの神事の時にこの鳥船が行われることがあります。
この動きには神様が船に乗り救いに来て下さり心身が清められるという意味があるそうです。徐々に体が温まってきました。
最後は密教の呪法である九字を切り魔を祓います。
さあ、いよいよ滝に入ります!
滝壺の近くまでくると水しぶきが全身にかかります。またゴーー!!という滝の音が大きく大声を出さないと会話ができないほどです。
今回は、まず岩の上で座禅を組み、その後滝の真下で水を全身に受けるという二部構成です。
まずは座禅から。
座禅は比較的水量の少ない場所で行います。しかし、氷のように冷たい岩が足に食い込み座るだけでも精一杯。降り注ぐ滝の水は多くないのですが息苦しさを感じます。
次はくっすんです。
次は滝の真下に入ります。ひざの高さまで水があり、足場は岩だらけなので慎重に進みます。何度も言いますが本当に水が冷たいです。
滝が近づくにつれて恐怖心が。この恐怖に勝つのも修行です。
高さ23メートルから落ちてくる水の重さは想像以上です。竹の杖で体を支えないと立っていることができません。
大きく深呼吸し勇気をふりしぼって
いざ!滝の中へ!!
なんとか水圧に耐えていたのですがちょっとバランスを崩してしまいあっという間に全身が水の中へ。
体が冷え切っていて思うように立ち上がることができませんでした。この時はかなり焦りました!
体勢を立て直し杖につかまりながらなんとかやりきることができました。
次はくっすんの番です。私の修行を見てすでに号泣しています。この厳しい滝行を耐え抜くことができるのでしょうか!?
くっすんも泣きながらなんとか気合いでやりきりました。
滝に打たれることで自然の厳しさを全身で感じる滝行。
逃げようと思えば逃げられるのですが、逃げずに自ら苦しい場所に身を置きそれを乗り切る精神力が培われるのだと思います。
いや〜、それにしても今回は本当に苦しかったです。
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