【成相寺】西国三十三所・第二十八番札所(京都府宮津市)

西国三十三所巡礼

京都府北部の与謝野町。
ここから天橋立を通り
成相山中腹の成相寺を目指す旅、
西国三十三所では最北端の札所です。

二つ岩神社

スタート地点は二つ岩神社です。
その名の通り二つの大きな岩が
祀られています。

巨大な岩が祀られる二つ岩神社

その昔、この近くの大江山
鬼が住みついていました。
名前は酒呑童子です。
その酒呑童子が食事をしていた際、
食事の中に石が入っていて
その石を放り投げたのが
この二つの岩だということです。
この辺りには酒呑童子
様々な伝説が残っています。

二つ岩神社から約4キロ歩いてくると
縮緬発祥之地」という石碑を発見しました。
石碑の前の通りは
ちりめん街道と呼ばれています。

ちりめん街道

ちりめん街道
縮緬発祥之地

ちりめんとは言わずと知れた
高級織物丹後ちりめんです。
その技術は江戸時代に
京都西陣から持ち込まれました。
明治から大正にかけて
この界隈は約50軒の機屋で賑わったそうです。

昔ながらの機織り機を使って
丹後ちりめんを作っている
大江すみさんにお話を伺いました。

大江すみさんの工場

この機織り機で60年仕事をしているすみさん。
最盛期には朝の6時に起きて
休む間も惜しんで働いたそうです。

昔ながらの機織り機
丹後ちりめん

ここまでずっとくっすんが
気になっていたことを
すみさんに聞いてみました。

くっすん
くっすん

あの~、丹後ちりめんって、
ちりめんじゃこではないんですか?(真剣)

すみさん
すみさん

ちりめんじゃこ??
あっはっはっは~(笑)

すみさん大ウケ!!
涙を流して笑っていらっしゃいました~
ステキな笑顔が印象的でした。

私たちもすみさんにつられて大爆笑

すみさんにお別れを告げて歩き
やっと日本海が見えてきました。

入り江になっているので海はとても穏やかでした

天橋立を渡る手前に
大変立派なお寺があります。
ここが知恩寺です。

知恩寺

知恩寺の山門
御本尊、文殊菩薩

御本尊は文殊菩薩
日本三文殊(智恩寺、安倍文殊院、大聖寺)の
一つに数えられています。
三人寄れば文殊の知恵」は
ここからきているそうです。

そして知恩寺のすぐそばの海沿いに
知恵の輪灯篭をみつけました。
この輪を三回くぐれば文殊菩薩の
知恵を授かることができると
言われています。

知恵の輪灯篭

知恵を授かりたいくっすんが
チャレンジしますが
高さがある上、輪が小さいので
くぐるのは大変です。

知恵の輪をくぐるのに苦戦するくっすん

昔はこの知恵の輪をくぐっていたそうですが
ちょっと危ないので
現在は輪を覗くだけでもご利益があるそうです。

灯篭のそばに架かる橋を渡れば天橋立です。

3.6キロの松並木

天橋立
イザナギノミコトが
天界と下界に架けたハシゴが倒れ
この天橋立になったと言います。
幅は約20~170mで全長約3.6km、
約5000本の松並木。
長い年月をかけてこの唯一無二の
景色が作られたのです。

ここから成相山を登る予定なのですが
麓でケーブルカー乗り場を発見しました。

天橋立ケーブルカー

成相山の麓でケーブルカー乗り場を発見
ケーブルカーに乗れば山頂までの所要時間は4分
河田
河田

わざわざ歩かなくてもケーブルカーに乗ったらいいよね!?

新田<br>ディレクター
新田
ディレクター

いや、昔の人と同じように歩いて登りましょう。

くっすん
くっすん

ケーブルカーも昔からあったんじゃないですか?

河田
河田

すみません、こちらのケーブルカーはいつからあるんですか?

チケット売り場の女性
チケット売り場の女性

昭和26年からです。

くっすん
くっすん

めちゃくちゃ昔からありますね!

河田
河田

ほんまやね!昔の人は偉いねぇ!

ケーブルカーに乗りたくて
必死でケーブルカーをつくった
昔の人は偉い話を盛り上げましたが
新田ディレクターは
全く聞く耳を持ちませんでした。

成相寺まで坂道と階段が続く

登り始めたこの成相山は
標高569メートル、
成相寺はその中腹330メートルにあります。

約20キロ歩いてからの
この山道はかなりきつかったです。

笠松公園

笠松公園に到着

登ること20分、笠松公園に到着しました。
ここからは日本三景のひとつ
天橋立が一望できます。

名物「股のぞき」。見やすいように手すり付きの股のぞき台が設置されています。

さらに笠松公園から登り続け約2キロ。
ようやく成相寺に到着です。

成相寺

成相寺の本堂
御本尊、聖観音菩薩
  • 宗派  橋立真言宗
  • 開祖  真応上人
  • 創建  704年
  • 御本尊 聖観世音菩薩

成相寺の由来にはこんなお話があります。

一人の僧が雪深い山で修業中、
深雪の為餓死寸前となりました。

僧は「今日一日生きる食物をお恵み下さい」と
御本尊に祈ると
外に傷ついた鹿が倒れているのに気付き、
その鹿の肉を鍋に入れて煮て食べ
餓えをしのぐことができたのです。

不思議なことにその鍋の中には
木屑が残っていました。
その木屑は観音様の足だったのです。

それ以来この寺を
願う事成り合う寺
成合(相)寺と名付けたそうです。

ここ成相寺には
大変貴重な品が残されています。
源頼光は大江山の酒呑童子を成敗する際、
眠り薬が入った酒を飲ませたと
言われていますが、
その時に使ったとされる
徳利と杯が今も保管されているのです。

「頼光四天王大江山鬼退治之図(国立国会図書館所蔵)」
酒呑童子に酒を飲ませた徳利と杯

成相寺へは車で行くことができますが
冬は積雪にご注意下さい。

成相寺の御朱印

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