【松尾寺】西国三十三所・第二十九番札所(京都府舞鶴市)

西国三十三所巡礼

京都府舞鶴市内を歩く今回の旅、
全行程で約28キロです。
目指すのは松尾寺まつのおでら
まつおでら」と書いて
まつのおでら」と読みます。

田辺城跡

田辺城跡

出発地点は田辺城跡です。

戦国武将、細川幽斎(藤孝)が築いた城で
関ヶ原の合戦の際には
石田三成軍15000の軍勢に攻められます。

籠城する幽斎軍はわずか500
圧倒的に不利な情勢の中
約50日の籠城の末
後陽成ごようぜい天皇の勅命により開城しました。
結局石田三成軍田辺城
攻め落とすことができなかったのです。

田辺城は防御に優れた城だったそうです(田辺城資料館所蔵)

田辺城跡から歩き始め約1キロ、
妙法寺が見えてきました。

妙法寺

妙法寺の山門
妙法寺の本堂

細川幽斎が田辺城を築城した頃
ここ妙法寺を訪れました。
その時に住職の日賢上人を試すため
歌を詠むよう命じます。
その時に日賢上人が詠んだ歌がこちらです。

世の中は
風呂や柄杓にさも似たり 
入る時ばかり我ものにして

要するに
初対面の人に「歌を詠めというのは失礼だ
という意味の歌を詠んだのです。

これに幽斎は感銘を受け
妙法寺の本堂を建て
立派な鬼瓦も作りこの地域を
守らせたそうです。

幽斎がつくらせたという鬼瓦

妙法寺を出て約8キロ歩きました。
そうすると見えてきたのが
舞鶴赤れんがパークです。

舞鶴赤れんがパーク

重要文化財にも指定されている赤れんが倉庫

明治時代に海軍の武器庫として
30棟建築された赤れんが倉庫。
倉庫1棟建設するのにれんが30万個が必要で
そのれんがは大阪の岸和田や貝塚で
生産されました。

そしてれんがを大阪から輸送するのは船で
下関をぐるっとまわって舞鶴まで運んだそうです。

現在は博物館、ショップ、
イベントホールなどとして活用され
大勢の方に利用されています。

赤れんがパークから歩いて約15分、
商店街にたどり着きました。
この辺りでお昼ごはんを
いただこうと思っていたら
こんなのぼりが。

人通りも多く賑わう八島商店街界隈
「肉じゃが発祥の地」と書かれたのぼり

せっかくなのでこちらで
肉じゃが定食をいただくことにしました。

明治時代に海軍鎮守府が舞鶴に設置され、
初代指令長官として
赴任したのが東郷平八郎です。
その東郷平八郎肉じゃが
考案したということなのですが…

「肉じゃが発祥の地」を地元の主婦グループで盛り上げる伊庭さん
肉じゃが定食
伊庭さん
伊庭さん

東郷さんが若い頃、留学先のイギリスでビーフシチューを食べてその美味さに感動し、日本でも海兵に食べさせたいと思い作らせたそうです。

河田
河田

へぇ~、最初はビーフシチューを作るつもりだったんですね?

くっすん
くっすん

でもビーフシチューとは全然違いますよね(笑)

伊庭さん
伊庭さん

そうなんです。当時ビーフシチューを作るための調味料がなくて、醤油や砂糖などで作ったので肉じゃがが誕生したんです。

ちなみに「肉じゃが発祥の地」としては
広島県呉市も名乗りをあげています。
東郷平八郎舞鶴に来る前は
に赴任していたので
でも「肉じゃが発祥の地」として
ご当地グルメPRをしているのです。

舞鶴もお互いを尊重しつつ
肉じゃが文化を盛り上げているそうですよ。

美味しい肉じゃがをいただき大満足で
再び歩き始めました。

見えてきたのは日本海に面した桟橋です。
しかしこれはただの桟橋ではなく
引揚桟橋と呼ばれています。

引揚桟橋

引揚桟橋

第二次世界大戦で満州やソ連に
出兵していた人たちが終戦後
船に乗って帰国したのがここ引揚桟橋で、
約66万人がこの引揚桟橋
帰還したといわれています。


実はくっすんのおじいさんは
シベリアに抑留されていたそうで
もしかしたらこの引揚桟橋から
日本に戻ってこられたのかもしれません。

今は亡き祖父を思い出すくっすん
桟橋が面した海は入り江なのでとても穏やかです

引揚桟橋からさらに歩き続け
スタート地点から約27キロの所まできました。
ここからは登り坂です。

足の痛みに耐えながら歩き続けると
山の上の集落にたどりつきました。


そこで「大杉の清水」と呼ばれる
湧き水を発見!
この水が冷たくて美味しくて最高でした。
昔の旅人たちもこの湧き水で
疲れを癒やしたんでしょう。

名水百選「大杉の清水」

休憩していると
目の前に不思議な光景が広がっていることに
気づきました。

「逆さ海」をみつけて驚く二人
「逆さ海」とよばれる不思議な景色

海よりも手前の平地の方が
低い位置にあるように見えます。
看板もあって
「逆さ海」と呼ばれているようです。
不思議ですね~!

長い坂道、くっすんははるか後方です

長い登り坂が続きます。
スタート地点から歩くこと約27キロ、
石段を上りようやく
松尾寺まつのおでらに到着することができました。

松尾寺

やっとの思いで松尾寺に到着

御本尊は西国三十三所の札所で唯一の
馬頭観音菩薩です。

松尾寺の本堂
御本尊、馬頭観音菩薩


宝冠に馬頭をいただいた
忿怒の相の菩薩で、
馬の様な勢いで
魔を打ち伏せてくれるそうです。
交通安全、農耕、競馬などに
ご利益があるといわれています。

  • 宗派  真言宗醍醐派
  • 開祖  威光上人
  • 創建  708年
  • 御本尊 馬頭観音菩薩

過去に西国三十三所巡礼を5回まわった
名誉住職の松尾さんにお話を伺いました。

名誉住職の松尾さん
松尾さん
松尾さん

「歩」という漢字は、「止まることが少ない」とも読めるでしょ。歩くことで人間は脱皮できるんだと思いますよ。

河田
河田

なるほど~!
歩き続ければ僕たちも脱皮できますか!?

松尾さん
松尾さん

二人ともなかなか煩悩が多そうやねぇ(笑)

くっすん
くっすん

ばれましたか(笑)

松尾寺の御朱印

コメント

タイトルとURLをコピーしました