【山岳修行|金剛山】日本修行場めぐり(奈良県御所市)

日本修行場めぐり

今回は山岳修行、大阪と奈良にまたがる金剛山を登り、山頂の転法輪寺てんぽうりんじを目指します!

スタート地点は大阪府千早赤阪村にある金剛山ロープウェイ千早駅です。

金剛山ロープウェイ千早駅

休業中の金剛山ロープウェイ千早駅

金剛山ロープウェイは1966年に開業。千早駅(標高708メートル)から金剛山駅(標高975メートル)まで約6分で行くことができます。

全長1323メートル、高低差267メートル

しかし、残念ながら現在は運転休止。老朽化により十分な耐震性がないというのが理由です。

元々村営で赤字が続いていた金剛山ロープウェイ。民間への譲渡を検討していたのですが結局譲渡先が見つからず、2022年に廃止が決定しました。

これから撤去されるそうです。なんだか寂しいですねぇ。

緩やかに下ったり上ったり山道を歩くこと約4キロ。次はある川沿いの施設に立ち寄ります。

透き通ったきれいな水が流れる千早川沿いの施設です

千早川マス釣り場

千早川マス釣り場
当釣り場は金剛山国定公園内にあり千早川の清流を利用したマス釣り場です。 釣った魚はその場で料理して食べることもでき短時間に釣りたい方やゆっくりと楽しみたい方に最適です。

透き通った水が流れる千早川。ここでは養殖のマスが放流されていて初心者でも手軽にマス釣りを楽しむことができます。

早速私とくっすんも挑戦!
針にエサを付けて川に釣り糸をたらし数十秒待つと…

釣り初心者のふたりですが…
すぐに釣れました!
そしてくっすんも!

本当に簡単に釣れました!これは楽しい~!

しかも、釣ったマスを食堂に持っていくと調理してくれるサービスもあるんです。塩焼きとから揚げにしてもらいました。

100グラム140円で調理してくれます
マスの塩焼き

道具は全てレンタルがあるので手ぶらでも大丈夫。釣りを楽しんでマスを美味しくいただけて大満足です!

マス釣り場を後にして坂道を上ります。いよいよ金剛山の入り口までやってきました。そこには一軒のお店が。

山の豆腐

山の豆腐
金剛山 山の豆腐
金剛山 山の豆腐 創業安永六年 千早伝統の凍豆腐を発祥とする伝統の手作り製法 国産大豆 金剛山の伏流水 大阪府千早赤阪村

山の豆腐は国産大豆と金剛山の湧水を使った豆腐が売りで、創業はなんと1777年という老舗です。

金剛山の水と国産大豆で豆腐をつくっています

そんな老舗の山の豆腐、かつては凍り豆腐を製造、販売していました。凍り豆腐とは冬の寒い時期に豆腐を外の冷たい空気にさらして凍らせその後乾燥させて作る保存食。いわゆる高野豆腐のことです。

昔は寒さをいかして凍り豆腐を製造していました
金剛山の凍り豆腐

江戸時代にはこの地域に数十軒の豆腐屋さんがありたくさんの凍り豆腐が生産されていたそうです。

ただ、近代化が進み工場で生産されるようになったため1970年に凍り豆腐の生産は終了しました。

そんな山の豆腐の豆腐を食べられるお店がすぐそばにあるということでなので、ちょっと早めの昼食をいただくことにしました。(現在は休業中です)

山の豆腐の豆腐をいただきます
湯豆腐

湯豆腐をいただいたのですが、とにかく大豆の味が濃くて味わい深く、しかもしっかりした歯ごたえを感じます。そしてなんといっても体が温まりますー!

金剛山の豆腐で腹ごしらえしていよいよここから山岳修行です。

金剛山は修験道の祖、役行者が修行したと伝わる霊山です。

スタート地点は標高470メートルの地蔵堂で、標高1125メートルの転法輪寺を目指します。今回は転法輪寺のご住職に引率していただきます。

地蔵堂

今回お世話になる転法輪寺のご住職
スタート地点の地蔵堂で真言を唱えます
第一番、不動明王

金剛山では山頂までの道中に13体の石仏が安置されていて、そこで真言を唱え山頂まで登ります。

地蔵堂から歩いて坂道に建つ民家の横を抜け約300メートル歩くと次の石仏が見えてきました。

第二番、釈迦如来

十三の仏を参る十三仏信仰は、先祖が安らかに眠れるように、そして自分自身や家族が死んだ時に極楽浄土へ行けるように願います。江戸時代には多くの修験者や参拝者が金剛山を登りました。

斜面がきつくなってきました

さらに300メートル進むと本格的な山道に入ります。勾配がさらにきつくなってきました。

すると目の前に長ーい階段が。

住職
住職

ここから山頂まで階段が約3000段あります。

河田
河田

3000段!?

くっすん
くっすん

3000段…。もし僕が大金持ちになったらここを全部エスカレーターにします。

住職
住職

…それは、やめてください…笑

階段を上り続けるのはとてもしんどいのですが、昔はもちろん階段はなかったので修験者や参拝者たちは厳しい山道を登っていたわけですよね。それを考えると階段がありがたく思えてきました。

修験道ではなぜ山岳修行を行うのか。そこには自然と一体になることで新しい自分に出会い心身を清めることができる、帰峰きぶ再生という考え方があるからだとご住職が教えてくれました。

階段を上っていると登山を楽しむグループに出会いました。

そのグループの中に今まで金剛山に50回登ったという方がいらっしゃってびっくり!金剛山山岳修行だけでなく、登山を楽しむ方にも愛されている山なんですねぇ。

登山愛好家の皆さん

金剛山では登山回数を記録するシステムがあり、山頂で回数カードにスタンプを押してもらうことがでします。これもひとつのモチベーションになりそうです。

転法輪寺で判子を押してもらえます

安置された石仏に手を合わせ、登り続けてやっと五合目に到着~。くっすんは倒れこんでしまいましたが、10分ほど休憩してまた登り始めます。

五合目に到着

ここからはかけ念仏「慚愧ざんぎ懺悔ざんげ六根清浄ろっこんしょうじょう」を唱えながら進みます。自分の罪をすべてさらけ出し、六根(目、鼻、口、耳、身、意)を清めるというものです。

六根清浄を唱えながら登ります

過去にも山岳修行でかけ念仏を大きな声で唱えながら山を登りました。

険しい道が続きますが、転法輪寺まであとちょっと。するとくっすんが…

くっすん
くっすん

六根清浄を唱え続けると、六本の大根が頭に浮かびますよね?なんだか元気が出てきます。

くっすんがワケのわからないことを言い出しました。疲れがピークに近づいている証拠です。

標高900メートル付近までくると薄っすら雪が積もっていました。

雪を踏みしめながら先を急ぎます

そして上を見上げると樹氷が!

樹氷は気温0度以下になると空気中の水分が冷えた枝にくっついて起こる現象です。

美しい樹氷を見られてラッキーでした

雪を踏みしめながら登ります。地蔵堂から歩き始めて約2時間、ようやく標高1125メートル金剛山の山頂に到着ですー!目の前には絶景が広がり大阪を一望できます。

大阪を一望できます
標高1125メートル、金剛山の山頂です
絶景を眺められて達成感でいっぱいです!

そしてすぐそばには転法輪寺の境内があります。

転法輪寺

雪化粧した転法輪寺
真言宗醍醐派大本山 金剛山 転法輪寺
真言宗醍醐派大本山 金剛山 転法輪寺の公式サイトです。当寺は大阪府と奈良県の間にある金剛山山頂にあるお寺です。当山は一年中、多くの一般登山者が来山し、山の景色を楽しまれております。是非ともお気軽にご参拝くださいませ。

転法輪寺は665年に役行者が創建したお寺です。境内には十二番目の石仏の代わりに塔が建てられていて、ここで大日如来の真言を唱えます。

第十二番、大日如来

そしていよいよ十三番目、虚空蔵菩薩は本堂の裏を進んだ所に安置されています。

第十三番、虚空蔵菩薩

最後は本堂でお参りをして金剛山山岳修行が終了です。

道中はやはりとてもしんどい思いをしたのですが、六根清浄を大きな声で唱えることにより、苦しいとかしんどいとかいった負の気持ちがかき消され、無心で登りきることができたのだと思います。

金剛山は1000年以上前から大勢の修験者たちが修行をした霊場ですが、現在は一般の登山家たちも楽しみながら登っています。悠久の歴史を感じながら気軽に登山を楽しめる山なので、登山に興味がある方はお勧めです!

コメント

  1. 柴垣かおり より:

    懐かしいです‼️
    今日初めてこちらに辿り着きました。
    ブログにまとめてくださってありがとうございます。膨大な作業で大変でしょうが喜ばれているファンの方は沢山いらっしゃるでしょうね。くっすんとのたわいもないやり取りも楽しみでした。河田さんが頼もしい兄貴分として大活躍されてカッコよかったです。
    毎回ゆっくり噛み締めながら拝見します。

    • 河田直也 より:

      柴垣さん
      ありがとうございます!これからもロケを振り返りながら少しずつブログ書いていきますのでよろしくお願いします。

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