【少林寺拳法|少林寺】日本修行場めぐり(香川県多度津町)

日本修行場めぐり

今までこのシリーズで様々な修行をさせてもらいましたが今回は少林寺拳法です。

丸亀港近くの太助灯篭

少林寺拳法というと中国の武術を連想される方もいると思いますが、実は日本が発祥地です。

創始者の宗道臣そうどうしんが中国で様々な拳法を修行され、1947年(昭和22年)にここ多度津町で人づくりのための修行法として始めたのが少林寺拳法です。

宗道臣(1911-1980)。当時卍だったシンボルマークは、2005年に世界統一マーク「ソーエン」になりました

少林寺拳法を習う人、修行する人を拳士と呼ぶのですが、現在21万人の拳士が世界39か国にいます。

くっすん
くっすん

実は僕以前少林寺拳法やってまして、6級なんです。今回は僕に任せて下さい!

河田
河田

おぉ~意外!少林寺拳法やってたんだ!?

いつになく自信満々のくっすんです。

今回は金剛禅総本山少林寺を目指して歩きます。

まず訪れたのは香川県丸亀市の丸亀城です。

丸亀城

町のシンボルとなっている丸亀城
丸い亀日記
亀飼育のおばさんが資産を増やして城を建てるまでの物語です。お金、借金、投資の話をします。

丸亀城石垣の名城と呼ばれています。天守まで石垣が4段になっていてその高さは約60メートル、日本一石垣が高い城です。

天守までは坂道が続きます
高さ約20メートルの石垣
現存12天守に数えられる丸亀城

また、加工した石で造られる打ち込みハギや大小いろんな自然の石を組み合わせる野面積みなど様々な工法の石垣が用いられているのが特徴です。さすが石垣の名城!

丸亀城を後にし市内を歩きます。約3キロ歩いたところで立派なお寺が見えてきました。

本願寺塩屋別院

本願寺塩屋別院の山門
1615年に建立された塩屋別院
四国の本願寺直属寺院 | 浄土真宗本願寺派 四州教区教務所

この塩屋別院は大正時代に第一次世界大戦の捕虜を収容する施設として使われました。

1914年(大正3年)に勃発した第一次世界大戦。日本軍は中国領土でドイツ軍と交戦します。

青島で降伏したドイツ軍、4627人のドイツ兵が捕虜として日本に連れてこられ、その内324人がこの塩屋別院に収容されました。

本堂前で記念撮影するドイツ兵たち(鳴門市ドイツ館所蔵)

捕虜と聞くと大変厳しい環境なのではと思ってしまいますが、当時捕虜たちの自由が尊重され自由な生活を送ることができたそうです。

ある程度の自由な生活が許されたドイツ兵たち(鳴門市ドイツ館所蔵)

ドイツ兵たちは地元民と交流し、運動したりビールを飲むことも許されました。

ビールを飲みながらくつろぐドイツ兵たち(鳴門市ドイツ館所蔵)

また彼らの能力を活かそうと木工技術やソーセージ、お菓子の作り方を多度津の人々に伝えました。

多度津の人々は彼らからソーセージ作り教わったそうです(鳴門市ドイツ館所蔵)
運動会が開かれ地元の住民たちと交流しました(鳴門市ドイツ館所蔵)

さらに音楽隊を結成し定期的に音楽会が開催されたり…、戦争中ではありますが多度津の人々がドイツ兵たちを温かく迎え入れた雰囲気が伝わってきますね。

ドイツ兵たちによる楽団も結成されました(鳴門市ドイツ館所蔵)
1918年(大正7年)に日本で初めてベートーベンの「第九」が演奏されました(鳴門市ドイツ館所蔵)

ちなみに現在も毎年12月にまるがめ第九プレコンサートと題し塩屋別院で音楽会が開催されています。

「まるがめ第九プレコンサート」でドイツ兵たちから受け継いだ「第九」が今も演奏されています

塩屋別院を出てひたすら歩き時刻は12時。

せっかく香川県に来たので昼食はやっぱり讃岐うどん!釜揚げうどんの岡じまでいただきます。

「釜揚げうどん岡じま」で昼食です
釜揚げうどん「岡じま」
自家製麺で打ち立ての麺を使用。素材にこだ...
肉うどん(450円)と穴子と半熟卵の天ぷら
コシが強い手打ち麺といりこ出汁
本場の味に舌鼓を打ちました

うどんの起源には諸説ありますが、弘法大師が中国からその製法を日本に伝えたとも言われています。

讃岐うどんでお腹が満たされ大満足!さらに西へ歩くとJR多度津駅が見えてきました。

駅前のロータリーには少林寺拳法発祥のまちというモニュメントが。

JR多度津駅前のモニュメントには「少林寺拳法発祥のまち」と刻まれています

そして駅から約1キロ歩くと金剛禅総本山少林寺の山門が。そのスケールの大きさに驚きました~!

金剛禅総本山少林寺

金剛禅総本山少林寺の山門
少林寺拳法公式サイト | SHORINJI KEMPO OFFICIAL SITE
公式サイト。道場検索、出版物、行事案内など。「社会に役立つ人づくり」を目的とする教え・技法・教育システムの体系として、1947年日本において宗道臣により創始された少林寺拳法の紹介。

日本には約2800の道場がありその総本山がここなのです。

今回指導していただく中川さんと冨田さんにまずはくっすん(6級)の腕前を見てもらいます。

今回お世話になる冨田さん五段(左)と中川さん七段(右)
「えいっ!!」という気合いと共に渾身の中段突きを披露するくっすん(6級)
河田
河田

くっすんの技はいかがですか?

中川さん
中川さん

はい…だいぶ忘れられているようですね(笑)

くっすん
くっすん

いや~~それほどでもー

河田
河田

全然ほめられてないですよ

胴着に着替えて修行開始です

いよいよ道場で修行開始、と思いきやまずは雑巾がけから。

毎回行われるこの雑巾がけも修行の一部で、床をきれいにすることが、自らの心を磨くことになるそうです。

道場は縦33メートルあります
この雑巾がけがとてもしんどいのです

道場がきれいになったところで次は鎮魂行です。これは少林寺拳法の教えを声に出して唱え心を正すというものです。

稽古前に必ず唱える鎮魂行
人としてのあり方や修行の心構えを、自分自身に説き聞かせます

そしていよいよここから技の練習です。初歩的な技を教えていただきます。

まずはお二人に技を見せていただきました。美しく流れるように披露される技の数々に見入ってしまいました。

では我々も早速やってみます!まずは相手の攻撃を払ってから突く内受突

構えて…
くっすんの突きを受け…
中段突き
本来相手に当ててはいけないのですが、完全に右脇腹に入りました
くっすん
くっすん

いた~~!!なにするんですか!?当たったじゃないですか!?ほんまに殴ったらダメでしょ!

河田
河田

今当たったよね?ごめん。

次はつかまれた手首をつかみ返し関節を決めてから相手を投げる逆小手

手首をつかまれたら…
相手の手首を取り…
関節を決めながら相手を倒します
くっすんの体が私の右足の甲に!
河田
河田

痛ったーー!

くっすん
くっすん

河田さんが攻撃してる側なのに、どうしたんですか?

河田
河田

投げたくっすんの体が足の甲に落ちてきた(涙)

一生懸命やっているのですがどの技をやってもなかなかうまくいかずコントのようになってしまう私とくっすん。

そんな私たちに中川さんと冨田さんが丁寧に指導してくださいます。

中川さんと冨田さんを手本にしながら練習します
見よう見まねですが何度もくり返して技を覚えます

突きを受ける手、手首の関節、投げられた時に打ち付けられる背中、不慣れなので体のいろんな所が痛みます。

しかし自分だけでなく相手の練習のためにも痛みを堪えて黙々と練習を続けなければなりません。

練習を始めて約2時間半、少しずつ慣れてきました。

少林寺拳法は二人一組で練習します。

技術の向上のためにお互い適切な攻撃を仕掛けたり受けたりしなければなりません。

要するに組んだ相手のために体を張らないといけないのです。

このような精神を社会に出た時に活かしより良い社会を目指すのが金剛禅の教えなのだそうです。

相手のために自分は何ができるのか考える、人と人のつながりが希薄になりつつある現代で(そう感じているのは私だけでしょうか)この考え方が多くの人を幸せにできるのではないかと感じました。

中川さん、冨田さん、ありがとうございました!

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