今回は五重塔で有名な法観寺から狸谷山不動院へ。
そこで年に一度行われる火渡りに参加させてもらいます。
火渡りとは燃えさかる護摩木の残り火で火床をつくり、その上を裸足で歩く修行だそうです。
え?
火の上を歩くの?
裸足で?
なんで!?
くっすんはいきなり不安だらけです。でも確かに火渡りってどんな修行なのでしょうか?
法観寺
法観寺は飛鳥時代に聖徳太子が建立したお寺です。
その後何度か焼失し現在の八坂の塔は1440年に足利義教によって再建されたものです。
歩くこと約3キロ、立派は山門が見えてきました。
金戒光明寺
金戒光明寺は1175年に法然上人が念仏道場として創建したお寺です。
そして幕末には、あの新選組が誕生した場所でもあるそうなんです!一体どういうことなんでしょうか?
今回は特別に普段非公開の部屋を拝見させてもらいました。
それがこちらの謁見の間です。
1862年に松平容保は京都守護職に就きます。その松平容保に新選組結成前の近藤勇らが謁見したのがこの部屋だということです。
当時近藤勇らは浪士組と呼ばれていましたが、松平容保から許可を得て会津藩預かりとなり新選組と組織の名を改めたのです。
なので金戒光明寺が新選組発祥の寺と呼ばれているのですね。
金戒光明寺を出てさらに北へ。京都大学の前を通り京大生にオススメのランチを教えてもらいました。それがこちらのインド料理店です。
この店で人気のカレーとナンのランチセットをいただきました。
カレーはとてもまろやかだけどスパイスはきいてます。ナンはしっとり、ほんのり甘くてカレーとの相性は抜群です。
ちなみに日本ですっかり定着したインド料理のカレーは、イギリスがインドを植民地支配していた頃にイギリス人が母国に持ち帰りました。
それをアレンジしたものが江戸末期に日本に伝わったそうです。
本格的なインド料理に大満足して京都市内を歩き続けます。
修行というテーマで歩いている私たちにぴったりな老舗のお菓子屋さんにお邪魔することにしました。
阿闍梨餅本舗 満月
満月は1856年創業の和菓子店。こちらの名物は阿闍梨餅。
丹波大納言の粒あんを満月秘伝の餅生地に包んで焼き上げた京都を代表する銘菓です。
阿闍梨餅の阿闍梨というのは弟子に教えを伝授する高僧のこと。
阿闍梨になるためには千日回峰行という大変厳しい修行を成し遂げなくてはなりません。
阿闍梨餅は満月の二代目が阿闍梨が被る網代笠を見て思いついたそうです。
京都ならではのとてもありがたいお菓子ですね。
住宅地を抜けてさらに歩くと不動院の石段が見えてきました。今回の修行場はこの上です。
狸谷山不動院
狸谷山不動院は1718年に木食正禅朋厚よって創建された真言宗のお寺です。御本尊は岩に刻まれた不動明王、眼光が鋭くその姿はものすごい迫力です。
今回の修行、火渡りですが狸谷山不動院では毎年7月28日に火渡り祭が開催され一般参拝者も体験できます。
午後6時を過ぎると法螺貝を吹きながら大勢の修験者が境内に現れました。
参拝客も増えてきて厳かな雰囲気の中にもお祭りの賑わいも感じます。
我々二人も着替えて準備万端です。
そして境内中央の護摩壇に火が付けられます。この炎は不動明王の化身とされ煩悩を焼き払ってくれるそうです。
ご祈祷が終わると護摩壇を崩し約5メートルの火床がつくられます。
もしもですよ、足の裏が熱すぎた場合、ぴょんっと横に逃げても大丈夫ですか?
一度やると決めたら最後までしっかりやってください。そんな中途半端な気持ちではケガをしますよ。
……はい、すみません。
いい歳した大人がこれほどしっかり怒られる姿を見るのは久しぶりです。怒ってくれる人がいるというのはありがたいことですよね。
まず、修験者が足を塩で清めてから火床を歩きます。
そばで見ていても火床の熱を感じるぐらいですから裸足で歩くのはかなり熱いはず。
約30人の修験者が渡り終えるといよいよ一般参加者の番で、そのトップバッターが私河田とくっすんです。
まず私から。
火床の前まで進み塩で足を清めます。
この場所からすでに火床の熱をかなり感じます。熱くないはずがありません。正直かなり恐い!
しかしここまで来たら行くしかありません!意を決して行きます!
続いてくっすんも!
無事に二人とも
火床を渡ることができました!
あれだけ熱を感じると、第一歩を踏み出すのがめちゃくちゃ勇気いりました。そして歩き始めたらもう自分を信じてやり切るしかない!という心境でした。
僕は恐すぎて、もう何も考えずに歩き始めました!
そうですよね、余計なこと考える余裕なかったですよね?それでいいのだと思います。そしてここから何を積み上げていくかということが大切なんです。
火床を歩いている時間はわずか数秒ですが、一心不乱に歩くことに大きな意味があるように感じました。
渡り終えた後の達成感が忘れられません。この火渡り祭が毎年開催され、大勢の方が参加される気持ちがよくわかりました。
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