今回の修行は精進料理作りです。
精進料理ってゴハン作って食べるだけやん!と思われるかもしれませんが実はこれも立派な修行。
食材などを無駄なく使い感謝の気持ちを持ちながら料理することが修行なのです。
上賀茂神社から妙心寺の塔頭東林院を目指します。
東林院ではご住職が精進料理の教室を定期的に開催されていますので私たちもご住職に精進料理の作り方を教わります。
上賀茂神社
上賀茂神社は以前、西国三十三所巡礼で行願寺と頂法寺まで歩いた時にも訪れました。
上賀茂神社の正式名称は賀茂別雷神社です。
その上賀茂神社から歩いて約2キロ。大徳寺のお隣にある歴史あるお店にお邪魔します。
大徳寺納豆本家磯田
大徳寺納豆とは一般的な納豆とは全く違い味噌や醤油といった醸造製品の一種で味は赤味噌を香ばしくした感じです。
その歴史は古く諸説ありますが唐から鑑真和上が伝えたとも言われています。
そして室町時代にそれを大徳寺の住職一休さんこと一休禅師が伝えのこしたそうです。
昔ながらの作り方で大徳寺納豆を製造している中庭に案内してもらいました。するとたくさんの桶が。
その製造方法はまず大豆を炊きはったい粉を混ぜて室で保存。
その時に納豆菌ではなく麹菌を使い約5日間かけて塩水を混ぜもろみ状にします。
これを毎日かき混ぜながら約2か月天日干しにします。めちゃくちゃ大変ですよね!本当に時間も手間もかかります。
18代目の磯田佳宏さんはもっと効率の良い製造方法を模索したそうですが、やはり昔から伝わるこの方法が一番うまくいくと話します。
やはり先人の知恵はすごいですね!
磯田さんとお別れをし京都市内を南へ歩きます。この日は猛暑日、炎天下を歩くだけでも大変です。
横断歩道の手前で信号待ちをしていると…
何してんの?
涼んでます。電柱が冷たくてクールダウンできるんです。
くっすんならではの暑さ対策みたいです。
上賀茂神社から歩いて約7キロ、妙心寺が見えてきました。今回の目的地はこの妙心寺の塔頭です。
東林院
塔頭とは元々大寺院の高僧の墓を弟子が守るために建てられた小庵で、現在は大寺院の中の独立した寺院として扱われることが多いそうです。
東林院は妙心寺の塔頭として1531年に建立されました。
それでは精進料理作り開始です。
精進料理を作るというのは修行になるのですか?
人間はいろんな命をいただいて生きています。精進料理を通してそういうことを改めて考え感謝することが大切で、これも修行だと考えています。
今回はゴマ豆腐、ごぼうの白煮、賀茂なすの揚げびたし、この三種類を作ります。
ゴマ豆腐は作るのにとても手間がかかるため禅寺では最高のおもてなしとも言われています。
このゴマ豆腐作りにはくっすんが挑戦します。まずはゴマを擦るところから。
僕、ゴマすりだけは得意です!ここまでごますりだけでやってきましたから!
普段やってるゴマすりとはちょっと違うと思うけどがんばってみてください(笑)けっこう大変ですよ!
くっすんがゴマを擦っている間に私河田は他の作業です。
とにかく無駄をなくすようにとご住職に指導してもらいながら不慣れな手つきで進めます。
30分が経過。くっすんはまだゴマを擦り続けています。
相当疲れたようで愚痴りながら作業するくっすん。しかしごまに粘りがでてきました。
誰かに媚びることを「ゴマをする」といいますが、この言葉の語源はまさにこのゴマのようにすり続けるとベタベタしてすり鉢などにひっつく様子からきているそうです。
ゴマを擦り続けること40分。ようやくご住職からオッケーがでました!いや~これはなかなか大変な作業です。
ここから水を加えて溶いて裏ごし。その後葛粉を溶かして火にかける、とにかく完成させるのが大変です。
結局2時間半かけて精進料理を完成させることができました。
私たちが作った3品以外はお寺が用意して下さいました。本来修行僧の食事は一汁一菜ですが、ご住職の精進料理教室では参加者に楽しんでもらいたいとちょっと豪華になっています。
ゴマ豆腐を食べてびっくり!まずなめらかな舌触り、そして粘りのある食感。さらに豊かなゴマの風味、自分たちで作ったとは思えないクオリティ!
ご住職の指導が良いのはもちろんですがやはり時間をかけて丹精込めて作った結果なんでしょうね。
その他の料理をいただいても普段の食事よりありがたみを感じます。
精進料理を作って食べるということの神髄を垣間見たように思います。
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