【元慶寺、今熊野観音寺】西国三十三所・番外札所、第十五番札所(京都市)

西国三十三所巡礼

昔の人は偉かったの旅では
西国札所から15キロ~20キロ離れた場所を
スタート地点とし、
そこからその地域の歴史を感じる
様々な場所を訪れ
札所まで歩いています。

しかし今回は番外札所の元慶寺から
第十五番札所の今熊野観音寺を目指します。
隨心院にも立ち寄るので
全部で約12キロの道程です。

元慶寺の山門からスタート

元慶寺

元慶寺は平安時代に
花山天皇が出家したお寺です。

山門は下部が漆喰塗りで
中央はアーチ形の通路になっている
いわゆる竜宮造です。

美しい竜宮造の山門
本堂でお参り
元慶寺の御朱印
番外札所・元慶寺
  • 宗派  天台宗
  • 開祖  遍照僧正
  • 創建  869年
  • 御本尊 薬師如来観音

出家した花山天皇は那智で修行をし、
その後西国三十三所巡礼に出られました。

当時西国巡礼は廃れてしまっていたのですが
花山天皇によって再び注目されたため
西国巡礼の中興の祖と言われています。

花山天皇(国立国会図書館所蔵)

ちなみに花山天皇といえば
以前、花山天皇が晩年過ごした
番外札所の花山院菩提寺をご紹介しました。

山科区内の住宅地を歩きます

元慶寺から山科区内を南に歩き
坂ノ上田村麻呂公園という
大きな公園にやってきました。

坂ノ上田村麻呂公園

きれいに整備された坂ノ上田村麻呂公園
坂上田村麻呂の墓

797年に征夷大将軍になった坂上田村麻呂
亡くなって江戸時代に入っても
大勢の武士が崇拝する存在でした。

後世にまで名を残したことから
武の坂上田村麻呂、文の菅原道真
と言われています。

山科川を渡り南へ

続いてやってきたのは隨心院です。
ここは山科区小野御霊町で
その住所にもあるように
あの小野小町ゆかりのお寺なんです。

隨心院

門扉がなく「病人の往来を妨げない」という意味を持つともいわれる薬医門
随心院の本堂
小野小町(随心院所蔵)

絶世の美女として知られる小野小町ですが、
その生涯には多くの謎が残されています。

しかしここ隨心院には
小野小町が顔を洗い化粧をしたという
化粧の井戸(けわいのいど)や、
小野小町に送られた恋文が埋められている
小町文塚があります。

小野小町の化粧井戸
小町文塚

隨心院をあとにし歩き始めると
緩やかな坂道にやってきました。
この坂道には「滑石・新大石街道」という
名前が付けられています。

滑石街道

緩やかな登り坂の滑石街道

1701年、赤穂藩主浅野内匠頭の刃傷事件で
お家断絶となった浅野家。
家老・大石内蔵助はその後山科に住み
この滑石街道を歩いて
祇園に足繁く通ったそうですが、
冬場は雪が積もり
内蔵助はしばしば足を滑らせたのだとか。

「大石内蔵助が足を滑らせた」ことから
この坂道は滑石街道
呼ばれるようになったのです。

忠臣蔵でもお馴染みの大石内蔵助(国立国会図書館所蔵)

ちなみに坂の途中に
大石内蔵助・一服の石と呼ばれる
大きな石があり、
その名の通り内蔵助
ここで休憩していたみたいです。

大石内蔵助の一服の石で一休み

峠を越えると瓦屋根の上、
そして無数の電線の隙間から
京都タワーが見えてきました。

京都市内で一番高い建造物の京都タワー(131メートル)が遠くに見えます

元慶寺から約12キロ、
目的地の今熊野観音寺にようやく到着です。

今熊野観音寺

今熊野観音寺に到着
今熊野観音寺の本堂
御本尊は十一面観音
今熊野観音寺の御朱印
  • 宗派  真言宗泉涌寺派
  • 開祖  弘法大師
  • 創建  824年~834年
  • 御本尊 十一面観音菩薩

今熊野観音寺にはこんな話が伝わっています。

平安時代の出来事ですが
後白河法皇は当時激しい頭痛に
悩まされていました。

そこで今熊野観音寺でお参りをすると
ある夜、夢の中で枕元に
観音様が立っていて
明るい光が差したそうです。
そうすると翌日から激しい頭痛が
嘘のように治ったのだとか。

頭痛に悩まされる後白河法皇(国立国会図書館所蔵)

それ以来、
白河法皇の頭痛を治したことから
頭の観音様と呼ばれ信仰を集めました。

今では「ぼけ封じの観音」として
お祀りされています。

境内にお祀りされるぼけ封じ観音
河田
河田

よくわからないボケでまわりの人を困らせ続けるタレントさんがいるのですが、お参りしたらご利益ありますか?

副住職
副住職

はい、きっとご利益があると思いますよ。笑

くっすん
くっすん

…………?

ちなみに今熊野観音寺では
ぼけ封じの枕カバーを販売しています。

ぼけ封じ、頭痛封じの枕カバー
枕カバーをすぐに購入したくっすん

取材が終わってから
くっすんは枕カバーを購入していました。

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