兵庫県加西市を歩く旅、
普光寺から第二十六番札所の一乗寺まで
約24キロの道のりです。
普光寺
スタート地点の普光寺は
651年に建立されました。
かつては16の宿坊があり
播磨の代表的な修行場だったそうです。
そして普光寺の境内には洞窟が。
実はこれ前住職が
即身成仏の地として
洞窟を掘り始めたものなのです。
即身成仏
仏教のことばで
人間がこの世で生まれた肉体のまま
仏になること。
凡人でも悟りを開けば
現世でも仏陀(ぶっだ)に
なれるということ。
入口幅は横1m、高さ1.3m、
奥行きは6メートル。
削り残した柱を中心に一周約14m。
前住職が毎朝5時から夜9時まで
毎日掘り進め約半年で完成させました。
一般の参拝客も自由に
見学できるそうですよ。
普光寺から歩き始めて約1時間半。
目の前にうっそうとした森が見えてきました。
これが玉丘古墳です。
玉丘古墳
ここに葬られているのは
根日女(ねひめ)という
女性なのですが、
こんな伝説があるそうです。
根日女伝説
その昔 意奚(おけ)と
袁奚(をけ)という
兄弟がいました。
この二人は後に
23代顕宗天皇と24代仁賢天皇に
即位する皇子です。
この兄弟二人は
皇位継承争いで
父を殺害されて都から逃れ、
播磨の国に名前を変え身分を隠し
密やかに移り住んでいました。
その時に根日女と出会うのです。
根日女は神秘的な美しさと
巫女としての
不思議な力を持っていました。
兄弟は根日女に恋をしてしまうのですが
仲がよかった二人は互いに譲り合い
どちらとも結婚はしませんでした。
やがて、
二人は大和を平定し帝につきます。
二人の安否を気遣う根日女は
心労から病にかかり
ここ播磨の地で
息を引き取ってしまうのです
なんだか悲しい物語ですねぇ。
のどかな風景が広がる中
さらに歩き続けました。
するとお庭にたくさんにんにくを発見!
にんにくを見ていると
奥からサングラスをかけた
カッコイイおじさんが出てきてくれました。
にんにく農家を営む北本さん。
北本さんのおじいさんの代から
にんにく栽培を始め
今では「ハリマ王」という名の
ブランドにんにくは販売しています。
自家製のにんにくの醤油漬けを
振る舞っていただいたのですが
これがめちゃくちゃ
美味しかった~!
現在は息子さんが後を継いで
北本ファームの運営をされています。
北本さんのにんにくは
インターネットでも購入可能ですよ。
北本ファームを出て
しばらくすると山道に入りました。
そして登り続けると絶壁が!
登りやすいように鎖が設置されているので
この鎖を使ってなんとか登ります。
ちょっと、くっすん!鎖を持ち上げるのやめてくれない!?
鎖を使わないと登れません~!
鎖が股間に食い込んでるから下ろしてー!!
なんやかんやありましたが
なんとか登り切りることができました。
すると遠くでカッカッという
金属音が聞こえます。
音のする方を見ると、
なんと
岩を彫って仏さまをつくっている男性が!
そばまで行ってお話を聞くことができました。
作業をしていたのは竹内次朗さん。
ある時この山を登っていて
ふとダルマさんがおられるような気がしたんです
と語る竹内さん。
このダルマ像を彫り始めて
この時すでに9年目だそうです。
ノミとハンマーを使った手作業で
ここまで彫るのは大変です。
登山者を見守るダルマ像、
この山のシンボルになるといいですね。
ちなみに加西市は
昔から石材の産地として有名で、
市内を歩けばいろんな所で
石仏を見かけます。
この山を越えたところにある古法華寺にも
数々の石仏が祀られています。
古法華寺
古法華寺からさらに歩き
スタート地点の普光寺から
約20キロやってきました。
石段の上に本堂が見えてきました。
第二十六番札所の一乗寺に到着です。
一乗寺
上を見上げると
本堂の天井には昔の巡礼者たちが
打ち付けた巡礼札が。
その数なんと約5000枚。
天井の高さは約6メートルあります。
昔の巡礼者たちはどうやって
天井に打ち付けたのでしょうね。
一応、
肩車で届くかどうかやってみました。
もちろん、無理でした。
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