麗江古城
ベトナムから北上し次にやってきたのは中国の雲南省です。1997年に麗江旧市街が世界遺産に認定されています。
中華人民共和国
首都 北京
人口 約14億人
公用語 中国語
通貨 人民元
中国人はほとんどが漢民族ですが、少数民族が55あります。その内25の民族がこの雲南省で暮らしているそうです。
そんな雲南省の麗江はナシ族の宿場町として栄えた町、今でも昔ながらの街並みがきれいに残っています。瓦屋根や石畳が美しい景観をつくっていますね。
6世紀から7世紀ごろには雲南省南部からチベットまで石畳の道が整備され茶馬古道と呼ばれました。雲南省で収穫した茶葉を北部チベットへ、そしてチベットから馬を南部へ運ぶ道として主に使われたので茶馬古道なのだそうです。その距離なんと約5000キロ!
麗江から茶馬古道を約4キロ北上し、束河古鎮という町にたどり着きました。かつて茶馬古道の要衝として栄えたそうです。
束河古鎮
茶馬古道では昔からお茶の流通が盛んだったので、今でもお茶屋さんが数多くあります。
店内に入ると棚に見慣れない円盤状の物が。これが茶葉なんだそうです。日本の茶葉とは全然違いますよね。
円盤形に固められた茶葉。茶馬古道では馬が茶葉を運ぶため、運びやすいように円盤形になったそうです。実際に触るとかなり固いです。
お店の方のご好意でプーアル茶を飲ませてもらいました。
プーアル茶特有の香りが豊かで口当たりがとてもまろやか、後味はとてもすっきりしています。めちゃくちゃおいしい!
プーアル茶の歴史はかなり長くて約2000年になります。茶馬古道の起点となる雲南省南部のプーアル県で生産されたのが始まりです。
ちなみにお茶にはいくつかの製法があるのですが…
不発酵茶 ー 緑茶など
半発酵茶 ー ウーロン茶など
発酵茶 ー 紅茶など
後発酵茶 ー プーアル茶など
通常お茶は加熱、乾燥、ものによっては発酵などさせますが、プーアル茶は後発酵茶に分類されます。後発酵茶は製造工程に麹菌を使って発酵させるのが特徴で、そうすることで芳醇な味わいになるそうです。
美味しいプーアル茶で一服して束河古鎮からさらに北へ。ここは有名な観光地、虎跳峡です。長江の川幅が最も狭くなっている場所で、常に川の流れが激しく荒れ狂っているようです。すごい迫力!
虎跳峡
ちなみに長江は全長約6300キロ、ナイル川、アマゾン川に次いで世界第三位の長さです。
ナイル川 6695m (エジプト)
アマゾン川 6516m (ブラジル)
長江 6380m (中国)
この世界一周旅ではナイル川、アマゾン川にも訪れました。
虎跳狭からさらに約110キロ進むと今回の目的地シャングリラです。シャングリラという地名がなんとなく中国っぽくないですよね。
香格里拉
実は、英国の作家ジェームス・ヒルトンの小説「失われた地平線(1933年刊)」に描かれた理想郷「シャングリラ」が、この土地をモデルにしているとされています。
それを知った中国政府が、せっかくなんでここをシャングリラという地名にしよう!そして漢字では香格里拉にしよう!となったんだそうです。
香格里拉はチベット族の人たちが多く住む街です。地元の方のお宅にお邪魔しました。とても大きな住宅でカラフルな装飾が素敵ですね。
そしてチベット族の皆さんが普段飲まれているバター茶をごちそうになりました。お茶の中にバター、塩、牛乳を入れたものがバター茶です。
香りはとても甘いのですが、しかし飲むとこれがかなりしょっぱい!家庭によって味は違うそうですが、塩味がかなりきいています。
夜になってから香格里拉の街を訪れました。建物の照明が点灯しエキゾチックな雰囲気です。町を歩いていると遠くからBGMも聴こえてきました。
その音がなっている街の中心部の広場へ行くと大勢の人たちが踊っています!日本の盆踊りのような感じですかねぇ。ただ、これは特別なお祭りではなくて皆さん毎晩集まって踊っているそうです。毎晩ですよ!?
踊っている人たちに話しかけると
「仕事終わりに毎晩踊ってるよ」
「みんなで踊るのは楽しい」
「ストレス発散や健康のために踊るのよ」とおしえてくれました。
香格里拉の人々にとって数少ない娯楽のひとつのようですね。
今回私が訪れたのは雲南省のごく一部の地域です。そんな限られた地域でも様々な歴史と文化が入り混じっている中国。昨今の日本と中国は外交的な軋轢がありますが、現地に行って取材するとやっぱり中国はスケールがでかいなー!
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