【紀三井寺(金剛宝寺)】西国三十三所・第二番札所(和歌山市)

西国三十三所巡礼

いつもは札所までの
約20キロの旅路を
ご紹介しているのですが、
今回は長編で
和歌山県の南部漁港から紀三井寺まで
約90キロを5日間で歩いた旅の
ダイジェストをお送りします。

南部漁港

スタート地点の南部漁港
早朝でしたがすでに一仕事終えて
一段落といった感じでした。

1年を通じて様々な漁法が行われ
水揚げされるのは
イワシ、サバ、アジ、イセエビなど
約800種類です。

早朝の南部漁港

みなべ町の海沿いを歩いていると
鹿島という島が見えます。

海沿いを歩いているとすぐそばに島が見えます
三つの鍋のように見える(?)鹿島

この鹿島
三つに分かれているように見えるので
昔の人はこの姿を「三つの鍋」に見立て、
三鍋みなべ
この地域の名前にしたのだそうです。
諸説あるそうですが。

そしてみなべ町といえば
ブランド梅、南高梅発祥の地です。
この界隈で有名な
梅干館にお邪魔しました。

梅干館

立派な建物の梅干館
梅干館で販売されている梅干しは種類が多く、おみやげを選ぶのも楽しいです 。
すっぱいものから甘い物まで種類が豊富です

梅干館は梅干しの販売はもちろん、
工場見学、梅干し作り体験、
梅酒作り体験もできる、
梅干しのテーマパークです!

強くて冷たい風が吹きつける中
峠を越え御坊市に入りました。

御坊市に入ります
鮮魚の直売所にレストランが併設されたはし長

歩き続けるととにかくお腹が空きます。
ちょっと早めの昼食を
獲れたての魚料理がいただける
はし長水産直売所
いただくことにしました。

美味しいヒラメの刺身に舌鼓を打っていると
なにやら怪しげな男性が
少しずつ我々の所に近づいてきます。
警戒していると…

突然話しかけられ、ちょっと身構える私河田とくっすん。
新聞記者
新聞記者

あの~日高新報という新聞社の者ですが、取材させていただけませんか?

河田
河田

新聞記者さん?

くっすん
くっすん

僕たちのことを新聞にのせてくれるんですか??

新聞記者
新聞記者

はい、もし問題なければいいですか?

河田
河田

どうぞ、どうぞ~!
というか、ありがとうございます~!

くっすん
くっすん

よろしければ一緒に美味しいお魚食べませんか?

地元の新聞記者さんが、
我々が歩いていることを聞きつけ
わざわざ取材に来てくれたんです!

そしてなんとこの日の夕刊に
記事を掲載してくれることに!
どんな内容になるのか楽しみです。

昼食後また紀伊半島をひたすら北上、
すると小さくて素朴な無人駅に到着しました。
紀州鉄道学門駅です。

紀州鉄道

無人駅にやってきました
学びの門をくぐりたい受験生には縁起がいい学門駅

紀州鉄道は運行距離2.7キロメートルで
かつては日本一短いローカル鉄道でした。

現在は千葉県の芝山鉄道が
2.2キロメートルで
日本一短いローカル鉄道なのだそうです。

一両で走る単線の紀州鉄道

学門駅という駅名から
多くの受験生が
切符を合格祈願のお守りにしたため、
紀州鉄道が切符をキーホルダーにしました。
この方がカバンなどにつけられて
いいかもしれませんねー。

切符をキーホルダーにして販売しています

余談ですが、
全国のローカル鉄道は
非常に苦しい経営を
強いられているところが多く
紀州鉄道も例外ではありません。

しかし紀州鉄道
会員制リゾートクラブの運営や
ホテル事業を手がけることで
路線を維持しているのだそうです。
本社も東京の日本橋にあるんですって。
なるほど、そういうことか~

お昼に取材してくれた
日高新報の本社が
学門駅のすぐそばにあるということなので、
せっかくなので我々が紙面に載っている
夕刊をいただきに伺うことにしました。
よく考えると
めちゃくちゃ厚かましいですね。

日高新報本社
訪れた時は夕刊を印刷している真っ最中でした

本社の前でいただいた
刷りたてホヤホヤの夕刊。
私河田とくっすんは…、
なんと!
一面に掲載していただいたのですー!

一面に我々の記事が掲載され大喜びするふたり
日高新報夕刊一面、仁坂知事の横にのせてもらって恐縮です!

日高新報さん、
本当にありがとうございましたー!

日高新報本社を出て再び歩き始めます。
のどかな風景が続き
少しずつ日が暮れてきました。

この日はこの時点で
かなりの距離を歩いていて
二人ともかなり疲れが蓄積しています。
特にくっすんはつらそうです。

太ももをさすりながら不調を訴えるくっすん
くっすん
くっすん

ふくらはぎが痛くなってきました

河田
河田

そこは太ももだよね?

太ももとふくらはぎを間違えるほど
疲れているようです。

しかし、ご近所の皆さんから
差し入れをいただいたり
応援してもらったりして
なんとか爪かき地蔵まで
たどりつきました。

爪かき地蔵

なんとか日没前にたどりつくことができました
よくみると岩にお地蔵さんの姿が

弘法大師がこの地を訪れた際、
地元の人たちの無病息災を祈願して
自分の爪で岩に
お地蔵さんを刻んだといわれています。

歩いていると様々な場所で
弘法大師の足跡に触れることが
できますね。

日を改めてさらに歩きます。
この日は峠を越えて約16キロ、
レトロな街並みが素敵な湯浅町です。
醤油発祥の地として有名ですよね。

湯浅町にやってきました

そんな町の中に
めちゃくちゃレトロな薬局を発見!
見学させてもらいました。

歴史を感じさせる外観の樹定薬局

創業約300年の樹定薬局
とにかく珍しい代物だらけです。

いろいろ珍しい薬を見せてくださいました
サイの角、犀角(さいかく)。ワシントン条約で輸入を禁じられる前のものみたいです。

すると何を思ったのかくっすんが突然…

くっすん
くっすん

これ、味見してみていいですか?

河田
河田

正気か、くっすん!?

犀角を味見(?)するくっすん
くっすん
くっすん

…なるほど、
濡れぞうきんの味がします。

樹定薬局のオーナーさん
樹定薬局のオーナーさん

味見された方は初めてです…

濡れぞうきんの味って何??

薬の味見はさておき、
歩きすぎて太ももやら足のつけ根やら
いろんなところが痛むくっすんに
おすすめの薬をお願いしました。
すると出てきた薬は…

「アンメルシン1%ヨコヨコ」

お店のイメージとは全然違う薬でした。

さあ、ここから紀三井寺に向けて
最後の難関、ラストスパートです。

急な坂道が続きます

方寸峠糸我峠拝ノ峠藤白峠
四つの峠を越えていきます。

途中で雪が降ってきました。
この日はずいぶん冷え込んでいます。
そして徐々に薄暗くなってきました。

かなり薄暗くなってきました

今回は西国三十三所巡礼編
最も過酷だったかもしれません。
四つの峠を越えた時には
もうすっかり日が暮れてしまいました。
二人とも疲れはピークです。

峠を越えた時にはすっかり暗くなっていました。体力はそろそろ限界です。

最後の力を振り絞り歩き続けると
暗闇の中ついに
紀三井寺の楼門が見えました!
ラストは231段の石段。

紀三井寺の楼門が見えました
231段の石段

なんとか上りきり紀三井寺に到着です!

紀三井寺

  • 宗派  救世観音宗
  • 開祖  為光上人
  • 創建  770年
  • 御本尊 十一面観世音菩薩

紀三井寺の正式名称は
金剛宝寺護国院です。

一般的には紀三井寺の名で
知られていますが、
これは「紀州の三つの井戸が有るお寺」という
意味なのだそうです。
今でも境内には井戸があり
きれいな水が湧いています。

本堂に入ると
ご住職が我々が来るのを
待ってくださっていました。
こんなに遅くなってしまってすみません。
そしてありがとうございます!

ご住職の優しい対応は、疲れ果てた私たちを癒やしてくれるようでした。
紀三井寺の御朱印

今回は5日かけて約90キロを歩く
しかも峠を越える
大変厳しい旅路でしたが、
改めて「昔の人は偉いなぁ!」という思いを
強くしました。

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