雨がしとしと降る中、
伊勢南街道の宿場町上市から歩き始めます。
今回は南法華寺、通称壷坂寺と
岡寺の二つの札所を巡ります。
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吉野川沿いを歩き
立派な巨木を見つけました。
これが土田のケヤキです。
土田(つった)のケヤキ
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ここから山を越え14キロ離れたところに
畝火山口神社という神社があります。
ここでは毎年7月に
でんそそ祭という行事が行われます。
そのでんそそ祭では神事に使う水を
吉野川から汲んで運ばなくてはなりません。
昔は12人の神官たちが14キロの道のりを
リレー方式で水を運んだのだそうです。
そんな神官たちを労って
神功皇后が植えたと言われているのが
この土田のケヤキなのです。
そんな話をしていると
新田ディレクターが
僕たち二人に差し出したのが…
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h13m59s257-1024x576.jpg)
![新田<br>ディレクター](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_5014-150x150.jpg)
ディレクター
昔の人と同じように吉野川の水を運んでみてください。12人の神官で14キロですから、1キロ運びましょう。
![河田](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-21h56m45s108-2.jpg)
はぁぁ~~!?
![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-21h57m12s967-2.png)
はぁぁ~~!?
かなり抵抗したのですが
新田ディレクターに
うまいこと言いくるめられて
1キロの道のりを水を持って
歩くことになりました。
バケツ1杯の水ですが
これはかなりきつかったです。
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h14m12s605-1024x576.jpg)
スタート地点から歩くこと9キロ、
安産の滝が見えてきました。
安産の滝
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h28m14s276-1024x576.jpg)
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h28m24s483-1024x576.jpg)
江戸時代以降、妊婦さんがこの滝に打たれると
元気な赤ちゃんが産まれると
信じられてきました。
この滝の上流に
安佐谷寺(あさだにでら)というお寺があり、
「あさだに」が「あんざん」に
なったということです。
そんな話をしていると
新田ディレクターが
僕たち二人に差し出したのが…
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h29m35s385-1024x576.jpg)
![新田<br>ディレクター](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_5014-150x150.jpg)
ディレクター
昔の妊婦さんと同じように安産の滝に打たれてみてください。
![河田](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-21h56m45s108-2.jpg)
はぁぁ~~!?
![くっすん](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-21h57m12s967-2.png)
はぁぁ~~!?
かなり抵抗したのですが
新田ディレクターに
またうまいこと言いくるめられて
滝に打たれました。
![](https://mukaera.com/wp-content/uploads/2021/10/vlcsnap-2021-10-10-18h30m38s367-1024x576.jpg)
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滝に打たれてつらい思いをしてでも
元気な赤ちゃんに産まれてきてほしいという
赤ちゃんを思う妊婦さんの気持ち。
これは今も昔も変わらないのかもしれません。
ここからは山道、
高取山(標高584m)です。
雨がやんだのでペースアップして歩きます。
山頂を越えて下り坂にはいると
木々の隙間から立派な多宝塔が
姿を現しました。
南法華寺、通称壷阪寺です。
南法華寺(壷阪寺)
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壷阪寺にはある夫婦にまつわる
お話が伝えられています。
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その夫婦とは沢市とお里です。
沢市は盲目の三味線弾きで、
生活は貧しかったのですが
二人は大変仲が良かったそうです。
ただ沢市にはひとつだけ気がかりなことが。
それは明け方近くになると
お里がこっそり家を出て行くことが
度々あったのです。
沢市は「他に好きな男ができたのではないか」と
お里を問いただしたところ、
沢市の目の病が治りますようにと
壷阪寺にお参りにでかけていたと言うのです。
疑った自分を恥じ、
お里に苦しい生活をさせている
自分を責めた沢市は
壷阪寺の境内から
谷底へ身を投げてしまいます。
それを知ったお里も
沢市を追うように谷底へ。
二人のことを不憫に思った
観音様は二人を救い、
また沢市の目も治してやったそうです。
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それ以来壷阪寺は眼病封じと夫婦円満に
ご利益があると言われています。
また本堂には沢市の杖が祀られていて
これをさわると夫婦仲が良くなるという
言い伝えがあるのです。
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壷阪寺を後にし
高取山を下ること40分。
やっと麓まで下りてきたのですが、
ここで雨と風が強くなってきました。
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高取町は江戸時代に
薬の生産で名を挙げた城下町で、
現在も薬局や製薬会社が
数多く残っているのです。
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明日香村に入りました。
雨の中歩くのはとても大変で
思った以上に体力を奪われます。
そしてここで出ました
「昔偉名物くっすんの寝転がり」。
疲れのあまり場所を選ばす
どこでも寝転がります。
でもその気持ちもわかるぐらい
雨の中の旅は辛いものがあります。
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気力を振り絞りラストスパート。
この日歩くこと11時間、
いよいよ最終目的地
岡寺が見えてきました!
岡寺(龍蓋寺)
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岡寺は日本最初の
厄除けのお寺とされています。
そして御本尊の厄除け観音は
土でできたものとしては日本最大で
弘法大師がつくられたそうです。
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ここ岡寺のもうひとつの名称は
龍蓋寺(りゅうがいじ)です。
岡寺をつくった義淵僧正が
明日香村を荒らしていた
悪龍を寺の池に封じ込め
石の蓋をして改心させたことから
この名がついたそうです。
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今でも「石の蓋を揺らすと雨が降る」と
言われています。
もしかしたら、
この日は誰かが石の蓋に
触れたのかもしれません。
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