のどかな風景が広がる
兵庫県たつの市。
少しひんやりとした
秋の空気が漂う中
觜崎宿という宿場から圓教寺を
目指す約22キロの行程です。
歩き始める前から
「距離が長すぎるのでは?」と
くっすんがぼやいております。
觜崎宿
昔の旅人はここ觜崎宿から
因幡街道を通り
揖保川を船で渡ったそうです。
その頃からここの船着場は
「寝釈迦の渡し」と呼ばれています。
寝釈迦
って何??
となりますよね。
その名称の由来を
ノーヒントで当てた方はすごい!
正解は…
揖保川の先に見える山並みが
「お釈迦さまが寝ている姿に見える」から
でした!
昔の人たちは本当に想像力が豊かです。
実際にやってみると
こんな感じでしょうか?
揖保川沿いを歩き始めて約3.5キロ。
ちょっと変わった形の柵を
みつけました。
これは畳提と呼ばれる
堤防なんです。
普段は穏やかな揖保川ですが
大雨が降ると度々氾濫することが
あったそうです。
そこで戦後間もなく
揖保川沿いに堤防を
建設しようということになりました。
しかし地元の住民からは
堤防を造ることによって
景観が損なわれ
揖保川を眺められなくなるのは
困るという意見が多かったため
隙間が大きく空いた
畳提を造りました。
これは揖保川が増水したら
住民の皆さんが
家にある畳を持ってきて
この畳堤の溝に差し込んで堤防にし
川の氾濫を防ぐというものです。
地元の皆さんのアイディアと
郷土愛が造った堤防なんですね。
そこからさらに
数百メートル進むと
童謡「 赤とんぼ」の歌詞が
刻まれた石碑をみつけました。
「赤とんぼ」の歌碑
赤とんぼの作詞をした三木露風は
たつの市の出身です。
『赤とんぼ』 作詞 三木露風 作曲 山田耕筰 夕焼け 小焼けの 赤とんぼ 負われて 見たのは いつの日か
この歌詞は三木露風の
幼少期の体験が
元になっています。
露風の父親は博打好きで
近所でも評判の悪い男でした。
そんな父親に愛想を
尽かした母親は
露風を残して出て行ってしまいます。
それから幼い露風は
祖父に預けられ育ちました。
歌詞に記されているのは
祖父の背中におぶわれて見た
龍野の夕陽だったのです。
なんだか切ない歌詞ですね。
ここたつの市は
童謡赤とんぼだけでなく
薄口醤油発祥の地としても有名です。
江戸時代から醤油の生産が盛んで
今も醤油蔵が建ち並びます。
醤油の自動販売機もあるぐらいです。
さらに歩いて
かつて聖徳太子が
治めたこともある
兵庫県揖保郡太子町に
入ったところで…
奇妙な光景に遭遇しました。
な、
なんだ、
これは!?
畑の真ん中に
マネキンの頭が…
一体どーゆーことなん!?
あまりにも気になったので
すぐそばの美容室で
聞いてみることにしました。
すみません~
あの畑にあるマネキンの頭はなんですか…?
あれはね、カット練習用マネキンをかかしにしてるんです。近所の人は最初は怖がっていたけど、皆さんもう慣れたって言ってくれてるんですよ。
…このマネキン、
よく見ると可愛いですね。
うちの妻に似ています。
そうなんですか?いっぱいあるので良かったら持って帰ってください。
えー、いいんですか!?うれしい!
あれあれ?
なんだか変な展開になってきたぞ。
そしてむつみさんが
奥から持ってきてくれたのは
大量のマネキンの頭部!
どうぞ好きなのを選んで持って帰ってください。
ありがとうございます〜!
…決めました、この子にします!名前は、ちえこにします!
…………。
ここからは
河田とくっすんとちえこで
歩くことになりました。
冷静にこの写真を見ると
完全に不審者ですね。
しかし、
どーしてもちえこの存在が
気になるので、
この後ディレクターの指示で
ちえこをリュックにしまい
歩くことにしました。
さあ、ここからはいよいよ山道です。
登るのは書写山(標高371m)、
山頂の圓教寺を目指します。
書写山の名前の由来ですが、
その昔スサノオノミコトが
ここ訪れたことから
スサノオ山と呼ばれ
スサノオ山
↓
スサ山
↓
ショシャ山
↓
書写山
と長~い年月を経て
変化していったそうです。
その書写山は
岩がむき出しで
足場が悪い所や急勾配の道、
そして最後は石段、
登り切るのは大変です。
そして
歩き始めて約12時間、
第二十七番札所、圓教寺に到着しました。
(圓教寺へは車、またはロープウェーと
送迎バスで行くことができます)
圓教寺
西国札所屈指の
規模を誇る圓教寺は
「西の比叡山」とも
呼ばれています。
特徴的なのは
室町時代に常行堂、食堂、大講堂が
カタカナのコの字型に
建てられていること。
全て重要文化財に
指定されています。
この山の上に
これだけ大規模な建物を造った
昔の人はすごいなあと
驚かされました。
そしてもう一つ驚いたのは、
なんと!!!
あのハリウッドスターの
トム・クルーズさんと渡辺謙さんが
ここ圓教寺を訪れたことが
あるのだそうです!!
実はここ圓教寺で
映画「ラストサムライ(2003年)」の
撮影が行われました。
そして今回お話しを伺った
圓教寺塔頭十地院の住職吉田さんは、
トム・クルーズさんと渡辺謙さんの後ろで
掃き掃除をしている僧侶として
映画に出演されたそうですー!
日本国内だけでなく
ハリウッドにも圓教寺の魅力が伝わり
撮影地に選ばれたのですね。
コメント
昔の人は偉かった 毎週楽しみに見せてもらってました。このブログで又見られるのは本当に嬉しいです。ありがとうございます!!聴き逃してることもいっぱいあるのでこんな風に記して下さるとしっかり覚えられます。昔の人は偉かったの道を辿りながら記憶にある映像と共に楽しく拝見させて貰いたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
余談ですが^^;マネキンの頭ちえこちゃん、今どうなってるのか気になります
僕も訪れた場所を思い出すためにブログを書くことにしたんです。
マネキンのちえこ、今どうなってるんでしょうね?笑